ストレスMax、不快きわまりない「めまい」症状

ふとした瞬間にぐらっとする「めまい」を感じる人は多いのです。また、めまいの症状そのものが不快で嫌な想いに無気力になってしまう人も少なくありません。実は、病気が原因で起こっている可能性もあるのでしっかり向き合わないといけません。

回転性と不動性がある

めまいはほとんどの人が経験したことのある症状で、よくある症状ですが、その原因はさまざまです。「乗り物酔い」や「ストレス」「睡眠不足」「貧血」など、ちょっとした体調不良で起こることもあれば、「更年期障害」「突発性難聴」などの病気が原因になることもこうそくあります。

また、「脳梗塞」や「脳出血」のような、命にかかわる病気が原因で起きる場合もあります。このようにさまざまな原因で起こるめまいですが、症状の強さと原因は必ずしも関係があるわけではありません。そのため、めまいに悩んでいる場合には、症状の程度にかかわらず、耳鼻咽喉科、脳神経外科、神経内科を受診して原因を明らかにすることが大切です。原因をつきとめていいるうちに症状が消えてしまって「たいしたことなかった」と通院をやめてしまって後に大きな病気で生命に関わることもあるので原因がはっきりするまでは丁寧に対応したほうがいいでしょう。

めまいのタイプ

めまいは、「回転性めまい」と「浮動性めまい」の2つに大別することができます。ただし、症状の感じ方には個人差があるため、どちらのタイプのめまいなのかはっきりと区別がつかないこともあります。

  • 回転性のめまい
    自分や周囲がグルグル回っているように感じるめまいです。「周りが一定の方向に流れるように回っている」「自分自身が回っている」などの感覚があります。「吐き気」や「嘔吐」を伴ったり、立っていられなくなることもあります。
  • 浮動性のめまい
    足もとがフワフワして雲の上を歩いているように感じるめまいです。

目の前の景色が揺れて見えることもあります。どちらのタイプのめまいも、体のバランスを保つ「平衡機能」に関係して起こります。平衡機能には耳と脳が関係しているため、耳や脳に異常が生じることでめまいが起こることがあります。

めまいの70%大半は耳の病気によって起こり、残りの20%は脳の病気が原因で起こります。そして残りの10%は、原因不明のめまいです。
めまいを起こす耳の病気には、「メニュール病」や「突発性難聴」「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」などがあります。脳の病気としては、脳梗塞や脳出血、「脳腫瘍」などのほか、「脳の変性疾患」といわれる特殊な病気があります。ほかにも、低血圧や高血圧、更年期障害などを原因とするめまいや、「心因性のめまい」があります。
めまいの10%は原因不明だと説明しましたが心因性のめまいが多いのも特徴です。季節の変わり目などにストレスが加わることでめまいが生じるケースです。

めまいの原因(その1)耳の病気で体の動きを感じる器官に影響がでる

耳は、「外耳」「中耳」「内耳」という3つに分けられています。鼓膜の外側の部分が外耳、「鼓膜」の内側にある部分が中耳、さらにその内側の部分が内耳です。

耳は音を感じ取る働きだけでなく、体の動きを感じる働きをしています。その役割を担っているのが、「三半規管」や「耳石器」という器官です。体が回転したり傾いたりすると、三半規管や耳石器が敏感に感じとり、その情報は神経を通って脳に送られます。
また、外耳と中耳を経て内耳に伝えらかぎゆうれた音の情報は、内耳にある「蛸牛」という器官が受け取って脳に送っています。内耳の三半規管や耳石器に異常があると、脳に正しい情報を送ることができません。そのため、体の回転や傾きなどを正しく感知することができなくなり、めまいが生じるのです。

めまいの原因(その2)脳の病気で情報処理にエラーが出る

三半規管や耳石器からの情報は、脳の中の「脳幹」を経て「小脳」に伝わります。小脳はこの情報に応じて、体のバランスを保つ指令を全身の筋肉に送っています。
内耳に異常がなく、正しい情報が送られてきたとしても、脳出血や脳梗塞などで脳幹や小脳に異常があると、情報を正しく処理することができません。
それによって、めまいが生じることがあります。脳に原因がある場合には、めまい以外の症状を伴うことがあります。「激しい頭痛がある」「手足がしびれる、思うように動かない」「物が二重に見える、かすみがかかる」「ろれつが回らなくなる」「意識がなくなる」などの症状を伴う場合には、脳の病気が強く疑われます。命にかかわる場合もあるので、すぐに医療機関を受診してください。

めまいの検査「めまいのタイプや症状を」を問診で確認

めまいが起きたときには、無理に体を動かさず静かに横になるなど、安静にすることが大事です。10分ほどたっても強いめまいが治まらないときには、救急車を呼ぶなどして早急に対処する必要があります。
めまいの症状が短時間で落ち着くようであれば、「めまい外来」のある医療機関を受診するのもよいでしょう。めまいの診断では、問診が重要です。

「どのようなめまいが起こったか」「どれぐらいの時間続いたか」 「めまい以外の症状は現れなかったか」などを適切に答えられるようにしておく必要があります。

受診するまでに忘れてしまうこともあるので、メモをとっておくとよいでしょう。

主要な検査

めまいで受診した場合、「平衡機能検査」が行われます。これには、「限振検査」と「体平衡機能検査」があります。

限振検査は眼球の異常な動きを調べる検査です。グルグル回るようなめまいを感じているときには、目が自然に動いて見えます。

体平衡機能検査は「立つ、歩く、足踏みする」などの動作を、日を開けた状態や閉じた状態で行う検査です。これらの検査によって、どこに、どのような異常があるのかがわかります。めまいには難聴を伴うことがあるので、「聴力検査」も行われます。また、脳の病気の有無を調べるためには、「CT検査」や「MRI検査」などが行われます。

めまいの症状別対策

耳鳴りや難聴を伴う

めまいはいろいろな病気が原因となって起こりますが、そのうちの約7割(大半)を耳に関連する病気が占めています。耳は音を感じ取る働きをしているだけでなく、体の平衡を感知する器官でもあります。そのため、耳の病気があると、平衡感覚が正しく働かなくなることがあり、めまいが起こるのです。

耳の病気が原因となる場合には、めまいに伴って、「耳鳴り」や「難聴」といった聴力に関係する症状が現れることがあります。耳の病気のすべてが耳鳴りや難聴を伴うわけではありませんが、めまいに伴って耳鳴りや難聴が起こっている場合は、なるべく早く治療をしなlナればいけません。なぜなら、耳鳴りや難聴を伴うめまいは、早く治療を始めないと聴力の回復が難しくなってしまうことが多いからです。

めまいを引き起こす耳の病気には、「メニュール病」「突発性難聴」「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」などがあります。このうち耳鳴りや難聴を伴う代表的な病気が、メニュール病と突発性難聴です。

耳鳴りや難聴は内耳の障害が原因

メニュール痛が起こるのは、内耳を満たしている「リンパ液」が増え、三半規管や蝸牛が水ぶくれのような状態になるこれらの器官が障害されたり、感知した情報を脳に伝えている神経が障害されると、めまいに伴って、耳鳴りや難聴といった聞こえに関する症状が起こります。

突然の激しいめまい

突然、グルグルと回るような激しい「回転性めまい」が起こった場合、「良性発作性頭位めまい症」や「前庭神経炎」が疑われます。

激しいめまいを起こす病気良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎などがある

めまいの原因は耳の病気が約7割を占めており、主な病気には、「メニュール病」「突発性難聴」「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」があります。このうち、良性発作性頭位めまい症と前庭神経炎は、「耳鳴り」や「難聴」などの聴覚の症状は伴わず、突然、激しいめまいが起こるのが特徴です。

とはいえ、どちらも命にかかわるような病気ではありません。ただし、めまいによって体の平衡感覚が崩れるため、「転倒」などの危険があるのでめまいを起こした際の二次的なけがなどの注意が必要です。突然起こるめまいに対処するのは難しそうに思えますが、良性発作性頭位めまい症の発症は生活習慣に深くかかわっていることがわかっています。生活習慣を改善することで、病気を予防することが可能とされています。

良初性頭位めまい症とは?

症状は、「特定方向に頭を動かすと回転性めまいが起こる」「数秒~2分ほどで治まる」「吐き気を伴う場合も」「何度も繰り返す」

起こりやすい人の特徴

良性発作性頭位めまい症は生活習慣に関係していて、日ごろあまり頭を動かさないような生活を送っている人などに起こりやすいとされます。
日常生活で頭を動かしていると、異物は三半規管を満たすリンパ液の流れに乗って自然に排出されます。しかし、頭をあまり動かさないと、異物がたまってしまい、突然のめまいを引き起こす原因につながるのです。

「同じ姿勢をとり続けていることが多い」「休日は寝ていることが多い」「運動不足」「中耳炎、頭部の打撲、むち打ち症の経験がある」といった項目に当てはまる人は、良性発作性頭位めまい症を起こしやすいため、適度に頭を動かすように生活の中に運動を習慣化します。「動いたときにグラッとしたことがある」 という人は、すでにめまいの前ぶれが起こっているかもしれません。長時問パソコンで作業をしているときなどには、時々ゆっくりと頭を動かすとよいでしょう。
また、ウォーキングのようにあまり頭を動かさない運動とは別に、ラジオ体操のように全身を動かす運動が勧められます。

治療

受診をすると、めまいについての「問診」が行われ、次に「眼振」や「体平衡機能」を調べる「平衡機能検査」が行われます。
主な治療法は以下のとおりです。

  • 薬物療法
    根本的な治療法ではありませんが、「抗めまい薬」を使って症状を軽減することができます。
  • 浮遊耳石置換法
    医師が患者さんの限振を見ながら東を動かすことで、半規管にたまっている異物を移動させ、排出させる方法です。
  • 運動療法
    三半規管から異物を排出しやすくするために行う方法で、病気の予防にもなります。ただし、ほかの病気でめまいが起こっている場合に行うと、病気が悪化するおそれがあります。良性発作性頭位めまい症と診断されたうえで運動しましょう。

前庭神経炎とはウィルス感染などが原因。入院で薬物療法

前庭神経炎とは、三半規管や耳石器で感知した情報を脳に伝える「前庭神経」に炎症が起こる病気です。ウィルスの感染や血液循環の障害が主な原因です。

前庭神経の機能が急激に低下するため、突然激しい回転性めまいが起こります。めまいは3日間以上続くのが特徴で、聴覚に関係する「蛸牛神経」は障害されないため、耳鳴りや難聴は伴いません。

検査では、耳に温水や冷水を入れて眼振が起こるかどうかを調べる「温度刺激検査」が行われます。前庭神経の機能が低下していると、温度刺激を与えても、反応は現れません。

前庭神経炎は安静が必要なので、通常は入院して治療が行われます。治療は、障害された神経を回復させるために「ステロイドホルモン薬」を点滴で使います。

めまいは日を追うごとに軽減しますが、体に「ふらつき」が残ることがあります。これは、炎症が治まっても、神経の回復に時間がかかったり、完全に回復しなかったりすることで左右の機能のバランスが欠けるためです。
このふらつきを改善するためには、「リハビリテーション」を行う必要があります。症状が落ち着いてきたら、できるだけ体を動かすようにすることも大切です。