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急に毛深くなれば精巣・卵巣腫瘍、産毛が顔に密生すれば肺・大腸ガンの可能性

体毛の発育を促す男性ホルモンを増やすガンもありヒゲや胸毛の生え方に注意

ガンによる皮膚の変化では、赤くなる、黒くなる、黄色くなる、ただれる、カサカサするなどのほかに、毛深くなるという症状を伴うことがあります。
ガンが体の中で増殖したり大きくなったりするとき、ガンは成長因子と呼ばれる物質を作り、それを利用して成長していきます。成長因子はガンを大きくするだけでなく、人間の体にさまざまな作用を及ぼすことがあります。毛深くなるのは、成長因子が男性ホルモンの分泌を促す一因になるためだと考えられています。男性ホルモンにはいろいろな働きがありますが、その1つに体毛の発生があります。男性ホルモンは、全身の毛に一様に作用するのではなく、頭頂部の毛髪には脱毛に働き、あごヒゲや胸毛などには発毛に働きます。
したがって男性ホルモンが過剰になると、頭の毛は薄くなり、鼻の下やあごのヒゲ、胸毛が濃くなったり、速く伸びたりなどの変化が現れてくることになります。
頭髪が薄くなっても、それは年齢や家系のせいと考えて、病気が原因であることをうっかり見逃してしまうかもしれません。しかし、ヒゲが濃くなることには気がつきやすいと思います。思春期ならともかく、成人後にヒゲが濃くなったり薄くなったりするような変化は起こりにくいからです。ガンと皮膚症状としての発毛に関しては、まだよくわかっていない部分もありますが、男性の精巣、女性の卵巣にガンが発生すれば、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が乱れ、毛深くなることがあります。
また、肺ガンや大腸ガンなどは、男性ホルモンの分泌を促し女性は密生した産毛、男性はヒゲの伸びの速さに注意したいてしまうので、顔に産毛が生えるといった変化が起こる可能性があります。

男性はヒゲそりの頻度、女性は顔・腕・乳房の毛が濃くなったらガンを疑う

体毛に変化が現れたかどうかを判断する1つの目安は、ヒゲそりの頻度です。例えば、不精ヒゲになるほどヒゲが伸びるのに、以前なら2~3日かかったのが、毎日剃らなければならないほど速くなったというような場合です。男性の場合、ヒゲの渡さよりも、ヒゲそりの頻度のほうが実感としてわかりやすいかもしれません。
同時に頭髪が薄くなっているかどうか観察してみましょう。女性の場合も同じような変化が現れるはずです。女性は女性ホルモンのほうがもともと多いために、頭髪は多く、頭頂部の毛髪が薄くなるような変化は起こりにくいものです。
しかし、男性ホルモンの分泌が促されるような種類のガンになったときは、女性でも男性ホルモンの量が増えて、乳輪の周囲に毛が生えたり、腕や足の体毛が濃くなったりすることがあります。また、顔の産毛がヒゲのように濃くなったり長くなったりすることもあるのです。ただし、体毛に変化が起こったからといって、ガンの疑いが大きいというわけではありません。
毛髪の生え方がおかしいと感じたら皮膚科医に相談し、内臓の病気との関連がみあるかどうかを診てもらうこともガンの早期発見には欠かせません。

まずは自分でできる「大腸ガン検査キット」

その他の肌に出る症状はこちら。

上腕に赤い斑点が出たりのど元の毛細血管が浮き出赤くなれば肝臓ガンを疑う

肝機能の低下で女性ホルモンが増えると上半身の皮膚の毛細血管が広がってくる

肝臓ガンなど、肝臓の病気で肝機能が低下してくると、皮膚が赤く変化してくることがあります。その代表的な症状が、クモ状血管腫、紙幣状皮膚、手掌紅斑です。クモ状血管腫とは、クモが足を広げたよ、りに、血管が中心から放射状に広がって赤く見える症状で、のどもとや胸によく現れます。紙幣状皮膚は、赤色や褐色の斑点が上腕の外側に広がります。大きさは数ミリから数舛ンまでさまざまで、形も不規則。胸や顔などに現れることもあります。その様子がアメリカの昔のドル紙敗何の透かし軽様によく似ていることから、紙幣状皮膚と呼ばれるようにあったそうです。
手掌紅斑は、文字どおり手のひらが赤みを増す症状です。クモ状血管腫、紙幣状皮膚、手掌紅斑は、いずれも毛細血管が拡張して現れる症状です。
毛細血管が拡張するのは、女性ホルモンのエストロゲンの増加が要因として考えられています。エストロゲンには血管を拡張する働きがあるからです。
エストロゲンは、肝臓で処理されます。しかし、肝臓の働きが悪くなるとエストロゲンが処理されにくくなるため、血液中のエストロゲンの濃度が増加してきます。エストロゲンが過剰になることで、血管が広がりやすい状態が作り出されてしまうのです。
肝臓ガンなどによって肝臓の働きが損なわれると、エストロゲンの処理が順調に行われなくなります。男性でエストロゲンが過剰になると、乳房が大きくなる「女性化乳房」が起こることもあります。ただし、女性の場合は肝臓に異常がなくても、もともとエストロゲンの値が高めなため、手掌紅斑が起こることがあります。もともと手のひらが赤くなかったのに、最近、急に赤くなった場合や、女性化乳房に手掌紅斑、クモ状血管腫などが重なって現れた場合は、肝臓の異常を疑うべきでしょう。

肝臓の病気は目立つ症状が少なく皮膚に出る異常が発見の手がかりになる

肝臓の異常を示す皮膚の徴候は、肝臓のガンだけでなく、肝硬変などでも現れます。また、皮膚の徴侯が現れても、肝機能検査値には異常が認められない場合があります。これらの症状が検査値よりも早く、肝臓の異常を知らせてくれることがあるのです。
以前、虫刺されで来院した患者さんの皮膚に毛細血管の拡張が認められたので、肝臓の具合はどうですかとたずねてみたのです。すると、その患者さんは過去に肝硬変と診断されたことがあるけれども、めんどうなのでいまは治療を受けていないというのです。
私は肝臓の治療をするようにすすめました。肝臓ガンなど、肝臓の病気に伴って現れることが多い皮膚の変化で、もう一つ覚えておきたいのは黄疸です。黄痘は、皮膚が黄色くなる症状です。赤血球から*作られる、どリルビンという黄色い色素が過剰になると現れます。ひぞう赤血球は古くなると牌臓で分解され、ビリルビンは肝臓に運ばれて便や尿の一部になって排泄されます。
ビリルビンを処理する経路に異常が生じると、ビリルビンはうまく排泄されず、その色素によって皮膚が黄色く見えるのです。黄痘が現れたときは、ビリルビンの代謝や排泄に関係している肝臓・胆のう・胆道などの病気が疑われます。

日頃からカリフラワーを積極的に摂取すると大腸ガン、肝臓ガンを防止する作用があります。

急増中の大腸・小腸ガンはホクロが唇以外に手足にいくつもできたら要注意

唇の縦ジワに沿って数mm大の色素斑が多発したら腸にポリープが多出している

唇にホクロのような色素斑が多発して現れると、胃や小腸、大腸といった消化管に、同時に無数のポリープができており、その一部はガン化するおそれの高い場合があります。ポリープとは、内臓の外皮や粘膜からキノコ状に発生し、隆起した病変のことです。ポリープがただちにガン化するわけではありません。かといって、すべてのポリープが良性のままとも限りません。ポリープのうち、一部はガンになる危険性があるのは事実です。胃や小腸、大腸などの消化管にできるポリープを消化管ポリープといいます。消化管ポリープが無数にできてしまう病気に、消化管ポリポーシスという遺伝性の病気があります。
消化管ポリポーシスを発症すると、食道を除く消化管に数百個単位のポリープができるのです。
消化管ポリポーシスの一種で、皮膚に色素沈着が現れる病気があります。ポイツ・イエーガー症候群と呼ばれる病気です。ポイツ・イエーガー症候群による色素沈着の特徴は、唇や口、手足に、メラニン色素の沈着した小さい色素斑が現れることです。
色素沈着のうち、最も代表的なのが唇に現れるものです。唇には縦ジワがありますが、その縦ジワに沿って、数mm大の色素斑が多数現れます。黒っぼい色をしており、一見、ホクロのようです。この色素斑は平らで、盛り上がってはいません。唇のほかに、手足にも同様の色素斑ができ、ホクロのように見えることがあります。手足にできる色素斑は主に、手なら手首よりも先、足なら足首より先に、左右対称に現れます。
ポイツ・イエーガー症候群の唇や手足に出現するホクロのよぅな色素斑は、幼児期に出現し思春期にかけて増えます。それと同時に、帝化管に多数のポリープができるのです。そのため、10代や20代の若い年代に、患者さんが多い傾向にあります。
腸のポリープは年を重ねるとともにガン化する確率が高くなり、40~50歳になると一定(約10%)のポリープがガン化するといわれます。また、ポイッ・イエーガー症候群の患者さんは、ほかのガンになる可能性も高いといわれているのです。ただし、ポイツ・イエーガー症候群で現れるホクロのような色素斑自体が、悪性腫瘍(ガン)ということではありません。

左右非対称の、色に濃淡があるホクロが7mm以上になれば皮膚ガンの可能性あり

ポイツ・イエーガー症候群の原因は、わかっていません。また、消化管ポリープが原因で、色素斑ができるわけではありません。消化管ポリープだけができて色素斑が現れない人や、色素斑だけが現れて消化管ポリープができない人もいますが、これらの場合、患者さんはポイツ・イエーガー症候群ではありません。
若い人の唇や手足などに、これまで見かけなかったホタロのような色素斑ができているときは、皮膚科の診察をぜひ受けてください。最後に、普通のホタロと皮膚の悪性黒色腫( メラノーマ)との見分け方を簡単に述べておきましょう。普通のホタロは一様に同じ色をしていますが、色に濃淡があったり、境界部がにじんだような左右非対称の後天的なホタロが、7mm以上の大きさになったりしたときは、メラノーマの可能性があります。また、顔のホクロだと思っていたものが徐々に拡大してきたり、出血したり、かさぶたができたりするときは、基底細胞ガンである場合もあります。

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