冷えと自律神経、ストレス

冷え症は自律神経失調症

医学の専門書などには、「冷え症とは自律神経失調症による血管運動神経障害である」と書かれています。便秘や生理痛といった不調も、自律神経がうまく働いていないことが関係しています。
この「自律神経」とは、どのような働きをするものでしょうか?
自律神経とは、呼吸をしたり、消化吸収をしたり、心臓を動かしたり、といった内臓の働きをつかさどっているものです。また、血液の流れもコントロールしているので、自律神経がうまく働かないと、冷え症が起きるというわけです。意節することなく働いているのが、自律神経の特徴です。避に、自律神経は、意志のカで動かすことができません。
自律神経には、緊張時に働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」の二つがあります。
この二つの神経は、体の状況に合わせて自動で切り替えを行っています。切り替えがうまくいかなくなった状態が、「自律神経失調症」と呼ばれます。

自律神経失調症についてはこちら

自律神経は、感情からも大きな影響を受けます。だから、自律神経失調症はストレスが原因になっていることも多いのです。また、女性の体は、初潮から閉経にかけて、体の中でホルモンのバランスが激しく変化します。ホルモンのバランスが自律神経のコントロールに影響を及ぼすこともあります。自律神経失鞠症が女性に多いといわれるのは、このためです。

ストレスと自律神経の関係

心や体に感じるストレスは、自律神経に影響を及ぼします。心に受けるストレスが体に影響を与えるのは、人間ならでは。動物は過去を振り返ったり、将来を心配することはありません。そこで普段、感じるストレスについて、ちょっと考えてみましょう。自覚のあるもの、自覚以上に大きな負担になるもの、そして、自覚のないストレス。その感じ方には個人差があります。自分にとってツライことを、素直に受け入れることが大切です。

自覚あるストレス

「いらいらする」「頭にくる」という攻撃的な気持ちはもちろん、「悲しいな」「うまくいかないな」といったブルーな気持ちのとき、心はストレスを感じています。思い当たることはありませんか?
物理的にストレスの原因を取り除ければ、それに越したことはありません。状況をよいほうへ変えることを考えでみましょう。
もし、それができない場合は、気持ちの受け取り方を工夫していきましょう。

  • 身体的に感じるもの…騒音、悪臭、気温(暑すぎる、寒すぎる)、人混み(過密な状態)、狭い空間に閉じこめられる不快感など。/li>
  • 人間関係…相性の悪い人にわずらわされる(職場の上下関係、取引先との関係など)、好きな人とうまくいかない(友人とのトラブル、不愉快な事件)など。
  • 男女関係…恋人が欲しい、あるいは別れたい。また、ケンカ、失恋、離婚など、思い通りにいかない事柄。
  • 仕事…仕事に対するプレッシャー、不満、トラブルなと。不快な仕事に対する我慢。
  • 時間への強迫観念…

自覚以上のダメージがあるストレス

悲しみや苦しみ、あるいは喜びの場合。自覚はあっても、心は想像以上に大きなダメージを負っていることがあります。

  • 大きな悲しみ…肉親、伴侶、恋人を失うことは、本人の自覚以上に大きな精神的負担となっています。伴侶との死別、離婚などは、その最たるものです。
  • 新しい環境…結婚、離婚、引っ越し、転職、部署移動など、物理的に新しい環境に変わることは、大きな生活の変化なので、本人にも自愛があります。意外に思えるかもしれませんが、それが楽しく期待に満ちていたものであっても、今までと違うことをするというのは、ストレスになっていることもあるのです。

自覚のないストレス

一方、自分では意識していない間に、ストレスを感じている場合があります。「だるい」「やる気が起きない」「落ち込む」「もの悲しい」といった気持ちになるとき、そこには原因があるはず。それに気づかないでストレスが慢性化すると、直接、体に影響が出ることがあります。「これがストレスになっているんだ」と自分が認めることができれば、次のステップに進めるようになります。

  • 習慣化した環境…その状態に慣れたために、不快を自覚しにくいものもストレスになります。通勤電車、人混み、騒音(電話の呼び出し音) など。
  • 時間に追われる…秒刻みで忙しく働くことが習慣になっている場合、自分ではそれを心地よく感じている場合もあります。
  • 刺激中毒…何かしていないと落ち着かない、という強迫観念にとらわれている場合もあります。ヒマな時間が怖く、休憩することなく次々に何かに取り組んでしまうのです。中には、休暇を取る=仕事を中断することがストレスに感じる人もいます
  • 強制、責任感…「~しなければならない」「こうあらねばならない」と強く思うことは、大きなプレッシャーになります。また、それがうまくいかないとき、失敗したときに、必要以上に責任を感じて落ち込んだり、自分を責める原因になります。
  • 禁止・我慢…やりたいことを禁止されることや、我慢することもストレスになります。ダイエットなど無理な食事制限をすることも含まれます。
  • やるべきことを先に延ばす…苦手なこと、いやなことを先に延ばしても、結局はそれをやらなければいけません。この先延ばしがかなりのストレスを生み出します。
  • 将来に対する不安…「このままだと私はどうなってしまうのだろう?」という不安が、ストレスとなります。現在が安定している状態であっても、それが崩れるかもしれない(けが、病気、職場からの解雇など) という不安、老いや死に対する不安も含まれます。また、女性にとっては、「結婚、出産」といった人生のターニングポイントもこれにあたります。特に、タイムリミットがある出産は、かなりのプレッシャーとなっている場合が多いのです。

ストレスとのつきあい方

あなたにとってのストレスは何でしたか?思い当たるものがたくさんあったのではないでしょうか? ストレスと無縁の生活を送るのはとても難しいことです。でも、やり方ひとつで、ストレスを軽くすることはできます。ストレスを認めることができたら、ストレスを軽くするヒントを実行してみましょう。

  • 心へのアプローチ…いやな部署から転属を希望する、会社を辞めて転職するなど、ストレスの原因を物理的に取り除くことは、たしかに効果があります。でも、なかなかそれができないのが現実ですね。そこで、考え方の角度をちょっと変えてみましょう。
    まずは、自分にとってのストレスの存在を認めることが大切です。「これがストレスになっているのだな」と気づき、それを受け入れることです。原因がわかったら、対策を立てられるものには対処します。
    悩んでも解決できないものは、とりあえず、「今の状況はこうなのだ」と認識し、「必ずいつか解決できる」と楽観的になりましょう。考えすぎはストレスを大きくするだけで、心を楽にはしてくれません。過去に対して「後悔を引きずらない」ようにしてみましょう。起きてしまったことをクヨクヨ考えても意味はありません。それは、自分をいじめているだけなのです。「反省」するのではなく、失敗を活かすための「学習」をした、と考えてみましょう。そして、将来について「心配の先取りをしない」ようにしましょう。実際に、その状況が起きたときにどうしたらよいか考えればいいのです。心配して、心を疲れさせるのは、時間の無駄ですよ。
  • 体へのアプローチ…考え方を変えて、ポジティブシンキングを目指すのもいいですが、それが難しいこともあるでしょう。実は、もっと簡単に、心のストレスを軽くする方法があります。それは、体を楽にしてあげることなのです。心が緊張すると体も硬くなるし、心が穏やかだと体もとても楽です。だから、心の感じているストレスを、体からほぐすこともできるのです。運動をして体を動かせば、心と体は爽快感を味わえます。また、筋肉運動によって、脳内ホルモンのドーパミンが出ます。そうすると、やる気が出る、前向きになれるなど、実際に心に変化があらわれたりします。治療院に通うなど、専門家の手を借りて、体を楽にすることも効果的です。体を楽にしてもらう、気持ちよくしてもらうと、心も軽くなるはずです。この本で紹介している解消法は、どれも体が気持ちよくなる方法です。これがストレス解消に役立っていきますよ。体が楽になれば、ストレスに凝り固まった心がほぐれます。そして、気持ちがやわらかく、心がまあるくなるのがわかるはず。心が軽くなれば、問題を解決する元気もわいてくるというものです
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