肥満であれば高血圧の危険性は高くなる

企業には、高血圧予防のために従業員の心身の安全配慮義務が課せられています。厚生労働省は、2008年から年に1度の企業健診にメタポリックシンドローム(内臓の検査を義務づけました。従来の BMIに加え、へそのレベル(高さ)で腹囲を測測定することにしました。腹囲は、腹腔内の内臓に蓄積した脂肪量と比 例します。日本肥満学会の基準(2005年時点)では、男性85cm以上、女性90cm以上とされます。
「高コレステロールになる重要な6つの原因」の記事もご覧ください。

へそのレベルのCT検査で内臓脂肪面積が100平方メートル以上となるのです。 このような人で

  1. 最高血圧が130 mmHg以上、
  2. 中性脂肪150mg/dl以上
  3. 空腹時血糖値110mg/dl以上

の3項目のうち、2項目以上に当てはまる場合は、「メタポリックシンドローム」と判定されます。これは動脈硬化を促進して、体の老化が進みやすくなっている状態です。ただし、この基準については専門医の問でもいまだに議論があります。今後の推移を見守らなければならないでしょう。
食事をすると、食べものは胃腸で消化・吸収され、身体活動のエネルギー源となりますが、必要以上のエネルギーは脂肪として体内に蓄積されます。
人類は昔から飢えと戦ってきました。日本人も縄文の昔から飢えに苦しみ、それが当たりまえでした。食物がとれないときに備え、過剰のエネルギーはとりあえず体内にため込むことが人間にとって自然であり、生存に不可欠なことでした。しかし、この半世紀ほどの間に日本経済は繁栄し、それと同時に日本人は「食べすぎ」という予想外の問題に直面したのです。

最近の厚生労働省の調査によれば、20~74歳でメタポリックシンドロームが強く疑われる人の割合は、男性が25.3%、女性が10.6% という結果が出ています。
また、その予備群とされる人の割合は、男性が21.9% 、女性が8.3% です。特に40 ~50歳代から急増し、この年代の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタポリックシンドロームまたはその予備群になるということです。
人数にすると、約2000万人以上になります。
過剰なエネルギーとして脂肪が体内に蓄積されたら、エネルギー摂取量を減らして脂肪を消費しなければなりません。食事の稔エネルギー量を減らすのです。「腹八分目」という格言は、きわめて合理的な経験則といえます。よく誤解されるのは、食べたいだけ食べても運動で消費してしまえばよいという考え方です。しかし、運動によって消費されるエネルギーはたかが知れています。

また、肥満者は運動不足になりがちです。運動が不足すれば筋肉は衰えます。そうなると、ますます運動するのがいやになるという悪循環で悪のスパイラルが生まれます。代謝がいっそう低下し、年齢不相応の不健康な体になります。同じ体重であっても、十分な運動をしている人と不足している人では、運動をして筋肉がついている人のほうがはるかに健康であることはいうまでもありません。

コレステロールを下げる調理法なども毎日の食習慣に取り入れる必要があります。

運動を行う時間がない現代人におすすめなのが、漢方薬による肥満解消です。しかし、やはり運動が逃れる魔法はありません。実際の治療は、減食療法(カロリー制限)と運動です。ごくごく当たり前のことを行います。これに漢方を組み合わせれば非常に高い効果が期待できます。
本気になって肥満を解消すれば、高い血圧も下げることができます。

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